土木・建築・舗装・電気・管工事における
経審評点の見方と実務上のポイント
経営事項審査の評点は、単に「点数が高いか低いか」だけを見るものではありません。
実務では、業種ごとの受注特性、県や市町村の格付制度、競争相手の分布を踏まえて、自社の評点がどの位置にあるかを把握することが重要です。
ここでは、土木・建築・舗装・電気・管工事の5業種について、経審評点の意味と、営業・受注・格付対策でどう読むべきかを整理します。
経審評点とは何か
経審評点とは、公共工事を受注する際の重要な基礎資料となる数値です。一般的には、完成工事高、技術職員数、元請完成工事高、自己資本額、利益額、社会性等の要素が反映され、総合的な経営力・技術力・安定性を数値化したものとして扱われます。
実際の格付では、この経審評点に加えて、県独自の加点や主観点数が加味されることがあり、最終的なランク(特A・A・Bなど)が決まります。したがって、経審評点は「入札における土台」であり、県の評点や格付は「最終結果」と考えると分かりやすいです。
経審評点は、単独で見るのではなく、県の評点と格付を並べて確認すると、自社がどの項目で優位・不利なのかが見えやすくなります。
土木工事
土木は公共工事の中心業種であり、発注件数も比較的多く、格付の影響が受注機会に直結しやすい分野です。経審評点が高い会社ほど上位案件に参加しやすくなり、地域内での指名や評価にも影響しやすくなります。
元請完成工事高、技術職員、完成工事高の安定性。
土木は特に「施工実績の厚み」が点数差になりやすい業種です。
建築工事
建築は案件規模の差が大きく、一定以上の評点がないと参加しにくい案件も多くあります。元請比率や技術者配置の影響が受注力に直結しやすく、評点が高い会社は民間・公共の両面で信用力を得やすい傾向があります。
技術者数、完成工事高、自己資本、利益の安定性。
建築は「規模に見合う管理体制」が重視されやすい業種です。
舗装工事
舗装は土木関連の中でも専門性が高く、対象企業数が比較的限られるため、評点差が受注競争で明確に出やすい業種です。上位ランク企業は市町村・県案件で優位になりやすく、評点が少し違うだけでも案件の幅が変わることがあります。
舗装実績の継続性、技術職員、機械・施工体制。
舗装は「専門業種としての実績の濃さ」が強みになります。
電気工事
電気は技術者資格の影響が大きく、技術職員の質と数が評価に結びつきやすい業種です。経審評点が高い会社ほど、公共施設や学校、設備更新工事などで安定して受注しやすくなります。
有資格技術者、施工実績、経営安定性。
電気は「人材力」が評点差を生みやすい代表的な業種です。
管工事
管工事は設備・給排水・空調など生活インフラに直結するため、地域密着型の受注が多い一方で、評点による差が意外に出やすい業種です。学校、庁舎、公共施設、住宅関連など幅広い案件があり、技術者や施工実績が重視されます。
技術者、元請実績、完成工事高、社会性。
管工事は「継続受注の積み上げ」が評点改善につながりやすいです。
評点を見るときの読み方
同じ「Aランク」でも、総合点数や経審評点の中身は会社ごとに異なります。たとえば、総合点数が高くても経審評点が低い場合は、県独自加点や主観点数で補われている可能性があります。逆に、経審評点は高いのに格付が伸びていない場合は、県の評点項目や提出書類、地域貢献加点などに改善余地があることがあります。
① 総合点数を見る
② 経審評点を見る
③ 県の評点を見る
④ 最後に格付で結果を確認するこの順番で見ると、自社の改善ポイントが分かりやすくなります。
格付アップのために意識したいこと
格付を上げたい場合、単に売上を増やすだけでは不十分です。業種によって重視される点は異なりますが、共通して重要なのは、技術者の確保、元請比率の向上、利益体質の改善、社会性加点の積み上げです。
特に公共工事を主力にする場合は、同じ地域・同じ業種の競合会社と比べて、自社の総合点数がどの位置にあるかを把握することが欠かせません。業種別に並べたCSVを見ることで、あと何点必要か、どの会社が競合か、どの格付帯にいるかが見えてきます。
※ 実際の入札参加や格付制度の運用は自治体ごとに異なるため、最終判断は各発注機関の公表資料を確認してください。
沖縄県 建設業者データ
業種別 経審・格付一覧
沖縄県の建設業者について、土木・建築・舗装・電気・管の各業種ごとに、
業者名、住所(市町村のみ)、総合点数、経審評点、県の評点、格付を一覧化しています。
特A・A・Bを統合し、総合点数の高い順で確認できるため、同業比較、格付分析、営業対象の抽出に活用しやすい内容です。
この一覧で分かること
この一覧を見ることで、各業種の中でどの会社が高得点帯に位置しているか、どの市町村に有力業者が多いか、
そして格付と総合点数の関係がどうなっているかを視覚的に把握できます。
| 表示項目 | 内容 |
|---|---|
| 業者名 | 建設業者の正式名称 |
| 住所(市町村のみ) | 営業エリア把握に役立つ所在地情報 |
| 総合点数 | 県の格付判定で重要となる基礎点数 |
| 経審評点 | 経営事項審査による評価点 |
| 県の評点 | 県独自の加点・評価を含む点数 |
| 格付 | 特A・A・Bなどの等級区分 |
土木工事業
公共工事の中心となる分野であり、総合点数の差が受注機会に直結しやすい業種です。
特A・A・Bをまとめて確認することで、地域内の競争状況が見えやすくなります。
土木A以上の競合比較、上位点数帯の把握、営業先候補の分析。
建築工事業
建築工事は案件規模の差が大きく、総合点数や格付によって参加可能な案件の幅が変わりやすい業種です。
上位帯の会社ほど公共案件・大型案件で存在感が強くなります。
建築上位企業の把握、元請候補の調査、同規模帯企業の比較。
舗装工事業
舗装は対象企業数が比較的絞られやすく、総合点数差が競争力に直結しやすい業種です。
A・Bをまとめて見ることで、専門業種内の位置関係を確認しやすくなります。
舗装会社の上位帯抽出、地域別比較、専門業者の営業分析。
電気工事業
電気工事は有資格技術者の影響が出やすく、点数差が会社の信頼性や案件参加範囲に反映されやすい分野です。
A・Bの比較で、中堅層と上位層の違いも見やすくなります。
電気工事会社の営業対象選定、技術力重視企業の比較。
管工事業
管工事は設備・給排水・空調など生活インフラに密接に関わる分野です。
総合点数順に並べることで、地域内での受注力上位企業を把握しやすくなります。
管工事の有力企業抽出、地域密着企業の比較、格付分析。
一覧の見方
総合点数の高い順に並べることで、各業種の中で上位企業が一目で分かります。
その上で経審評点と県の評点、格付を見比べると、
「経審が高いが県の評価で差が出ている会社」「格付の割に総合点数が高い会社」などを把握できます。
※ 実際の入札参加や評価運用は年度や発注機関により異なる場合があります。最終的な活用時は最新の公表資料も合わせて確認してください。